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Inspiration

PAPIER LABO. x SIRI SIRI - Jewelry for paper, Paper for jewelry -

2023.08.13
PAPIER LABO. x SIRI SIRI - Jewelry for paper, Paper for jewelry -

「紙と紙にまつわるプロダクト」をコンセプトに、オリジナルプロダクトや世界中から独自の視点で選んだグッズを取り扱うパピエラボと、SIRI SIRI。親交のあった2つのブランドが、今回初めて一緒にものづくりに取り組みました。プロジェクトの名前は「Jewelry for paper & Paper for jewelry」。SIRI SIRIが「紙のためのジュエリー」を、パピエラボが「ジュエリーのための紙製品」を、それぞれデザインし、ひとつのプロダクトが誕生しました。

デザインの往復書簡

きっかけは、パピエラボの江藤さんからSIRI SIRIデザイナー岡本菜穂への「紙のためのジュエリーを作りませんか」というオファーから始まりました。以前から交流のあった2人の間で自然発生的に始まったコラボレーション。具体的なものづくりは、江藤さんからの「Jewelry for paper & Paper for jewelry」というコンセプト提案から、往復書簡のようにアイデアを交換する形で始まりました。

デザイナーとして、生活のための紙製品の魅力にはいつも惹かれていた岡本は、すぐデザインにかかりました。「紙のためのジュエリー」は、人が着飾るためにジュエリーがあるように、紙を綺麗に見せるようなものにできないか。そんな考えからオブジェのような形が浮かんできました。

紙の上に置いたり、挟んだり、ただそこに置いてあったり。そんな紙とオブジェの関係性を想像しながら、最初は大きなガラスの塊にスリットが入った形を思い付きます。しかし商品化となると、安全性などいくつかの問題が。ガラスをカットしただけでは安全性が低く、かといって研磨しすぎると輪郭がぼやけ、デザインが損なわれます。安全で、かつシャープなラインを保つことを優先し、二つに分割した形になりました。大きなガラスの塊がするりとずれると、まるで氷のような断面が顔を出します。自然光が当たると、透過した光が紙に落ち、時間帯によっても見え方がかわります。分割して置いても、くっつけても成り立つ、楽しみ方に自由度のあるデザインに落ち着きました。

リサイクルガラスという試み

SIRI SIRI側で今回やりたかったことの一つが、リサイクルガラスの使用。素材の純粋さを活かすのはSIRI SIRIのプロダクトの特徴ですが、岡本がスイスの工房で再生ガラスを使用したことをきっかけに日本国内の再生ガラスを探し、リサーチの結果、金沢のSTUDIO RELIGHTの廃蛍光灯リサイクルガラスカレットを使用することが叶いました。着色はせず、蛍光灯という素材独特のグリーンがかったそのままの色味を使用しています。

職人との関係性で叶うデザイン

岡本のデザインをかなえたのは、普段SIRI SIRIのHOTOLIなどのガラスジュエリーを制作している職人。いつも難しい課題を飄々と乗り越えている頼もしい彼女でも、初めて使う廃蛍光灯ガラスカレットから1kgほどの質量のあるオブジェを作ることは大きな挑戦だったと言います。さらに泡を入れるため、意図的に泡を発生させて閉じ込めなくてはなりませんでしたが、試作を経て偶然うまくいった泡入れの方法でデザインを実現させることができました。

有機的な柔らかさとソリッドなラインが完璧に両立した形は、型を使わずに職人の優れた感覚で形成している為、1点1点わずかに個体差があるところが魅力的なプロダクト。日常的にSIRI SIRI制作チームとのコミュニケーションを通じ、デザインアイデアを現実のジュエリーに命を吹き込んできた、卓越した手腕の職人なしでは、実現できなかったと言えます。

(続く)

テキスト:深井佐和子
PAPIER LABO. x SIRI SIRI - Jewelry for paper, Paper for jewelry -

Product design by PAPIER LABO., SIRI SIRI
Photography by Taisuke Koyama
Print by NEUTRAL COLORS
Box by BINFOL / Nao Watahiki

PAPIER LABO. x SIRI SIRI - Jewelry for paper, Paper for jewelry -

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